親の借金を知らずに相続しないために~亡くなった方の信用情報調査
「亡くなった親の借金も引き継ぐの?相続人が知っておくべき注意点」でご説明したように、亡くなった方が生前に借金をしていた場合、相続人がその債務を引き継ぐことになります。
そのため、予め被相続人の借金について調べたうえで、相続放棄の検討や遺産分割を検討することになります。本記事では、被相続人の借金の調べ方や注意点について詳しく解説します。
借金を調べる方法
「亡くなった親の借金も引き継ぐの?相続人が知っておくべき注意点」でもご説明しましたが、被相続人の借金を調べるには、以下の方法があります。
通帳や請求書、契約書などを探す
まずは被相続人が残した書類を調べることから始めましょう。具体的には、銀行の通帳やカード、クレジットカードの利用履歴、借金の返済証明書、契約書などを調べることが必要です。
不動産の登記簿を確認する
登記簿に抵当権の記載がある場合、住宅ローンが残っている可能性があります。返済は終わっているが、抵当権を抹消し忘れていることも考えられますので、登記簿に記載されている抵当権者に問い合わせしてみましょう。※住宅ローンが残っている場合でも、団体信用生命保険に加入している場合、返済する必要はありませんので、併せて確認してみましょう。
自動車の車検証を確認する
車検証の所有者の欄がディーラーや信販会社になっていれば、自動車ローンが残っている可能性があります。
信用情報機関へ情報開示請求を行う
個人のクレジットカードやローンの申し込み状況などの個人情報は、信用情報機関に登録されていますので、問い合わせることで借金を調べることができます。また、亡くなった方が連帯保証人になっている場合は、その事実も確認することができます。
なお、信用情報の開示請求は、法定相続人やその委任を受けた弁護士や司法書士などの代理人のみが行えます。
次に具体的な情報開示の方法を記載します。
信用情報機関への情報開示請求の方法
代表的な下記の3つの機関にそれぞれ手続きをすることになります。
一般社団法人全国銀行協会
銀行に対する借入を調べるには、一般社団法人全国銀行協会に開示の手続きをしましょう。
インターネットから申込み後、最短3営業日~5営業日ほどで開示できます。手数料は1000円です。
株式会社日本信用情報機構
消費者金融に対する借入を調べるには、株式会社日本信用情報機構に開示の手続きをしましょう。
申込完了後、5日から7日程度で開示結果が通知され、スマートフォンや郵送で手続きができます。手数料は1300円です。
株式会社シー・アイ・シー
クレジット会社に対する借入を調べるには、株式会社シー・アイ・シーに開示の手続きをしましょう。
相続人が利用していた金融機関等がわかる場合、上記のどこの機関に加盟しているのかを確認し、登録されている信用情報機関に請求することができます。相続人が過去に利用していた金融機関等が分からない場合や、曖昧な場合は、手数料や手間がかかりますが、全ての信用情報機関に開示請求をするようにしてください。
申し込み後、インターネットの場合は、直ぐに情報が閲覧できます。郵送の場合は、7日~10日程で通知されます。手数料はインターネットで開示請求をした場合500円、郵送の場合は1500円です。
注意点
相続人の借金の調査をしている段階で、亡くなった方に借金があることが分かっても、債権者に支払いをしてはいけません。相続放棄ができなくなる可能性があります。
まとめ
被相続人の借金の調べ方については、上記のようにいくつかありますが、時間がかかる場合があります。
特に相続放棄を検討している場合は、3ヶ月以内に行わなければいけない為、時間の制限がありますが、この期間を伸ばす方法もありますので、早めに弁護士や司法書士等の専門家に相談することをお勧めします。
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相続手続きでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。