最短で簡単!合同会社設立の手続き、費用、必要書類を司法書士が分かりやすく解説

合同会社設立を考えているけど、何から始めたらいいのか分からない…そんな方のために、この記事では合同会社設立の手続き、費用、必要書類を司法書士が分かりやすく解説します。メリット・デメリット、株式会社との違い、電子定款の活用法など、設立前に知っておくべき情報を網羅的にまとめています。この記事を読めば、合同会社設立に必要な知識が全て手に入り、スムーズな会社設立を実現できます。

最短での設立期間や費用を抑えるためのポイント、時間とコストを効率的に管理し、安心して事業をスタートできます。具体的には、合同会社設立に必要な書類は何か、手続きの流れはどうなっているのか、設立にかかる費用はどれくらいなのか、そして、設立前に注意すべき点は何なのかを理解することができます。 起業の夢をスムーズに実現するために、ぜひこの記事をご活用ください。

目次

合同会社設立のメリット・デメリット

合同会社を設立する際には、メリットだけでなくデメリットも理解した上で、自身の事業計画に適しているかどうかを慎重に検討することが重要です。以下で、合同会社設立のメリットとデメリットを詳しく解説します。

メリット

設立費用が安い

合同会社は株式会社に比べて設立費用が安く抑えられます。株式会社では登録免許税が15万円は最低必要ですが、合同会社は登録免許税が6万円で済むことが多いです。また、株式会社と違い、合同会社は公証人による定款認証が不要であるため、そのための費用もかかりません。

手続きが簡単

合同会社設立の手続きは株式会社よりも簡素です。定款認証が不要なため、公証役場への手続きが不要となり、設立までの時間と手間を大幅に削減できます。また、合同会社は1人や2人の少人数で設立することが多く、そういった場合は、設立登記に必要な書類を揃えるのがそれほど大変ではないため、手続き全体がスムーズに進みます。

経営の自由度が高い

合同会社は株式会社に比べて経営の自由度が高いです。株式会社では出資者(株主)と経営者(役員)を分離する考え方があり、大切な事項の決定には、株主総会の開催が義務付けられていますが、合同会社にはそのような制約がありません。合同会社の場合、社員が出資者であり、経営者であるため、(株式会社であれば必要な)株主にお伺いを立てる必要がなく、自分で迅速な意思決定を行いやすく、柔軟な経営戦略を展開できます。

社員の責任は有限責任

合同会社の社員は、株式会社の株主と同様に、会社の債権者に対して出資の範囲内でのみ責任を負います。つまり、原則として、会社が倒産した場合であっても、社員は私財を投じて債務を返済する義務は生じません。合同会社以外の持分会社(合名会社・合資会社)が無限責任の社員が必ずいることが要件となっているため、合同会社以外の持分会社と比較しても、メリットと言えます。

デメリット

信用度が低い場合がある

合同会社は株式会社に比べて歴史が浅く、社会的な認知度がまだ低いことから、取引先や金融機関からの信用度が低いと判断される場合があります。事業内容や取引先との関係性を考慮する必要があります。ただし、近年では合同会社を選択する企業も増えており、徐々に信用度も向上しつつあります。事業の実績を積み重ねることで、信用度を高めることが可能です。

株式会社との比較

下記は、合同会社と株式会社の比較した表になります。

項目合同会社株式会社
設立費用安い (登録免許税6万円~)高い (登録免許税15万円~)
手続き簡単 (定款認証不要)複雑 (定款認証必要)
経営の自由度高い低い
信用度低い場合がある高い
出資者の責任有限責任有限責任
資金調達比較的難しい比較的容易
組織変更株式会社への変更可能合同会社への変更可能

合同会社設立にかかる費用

合同会社設立には、いくつかの費用がかかります。ご自身で手続きをする場合は、登録免許税、交通費、郵送費等の実費のみですが、司法書士に依頼する場合は、別途手数料がかかります。これらの費用は、資本金の額、電子定款を利用するか否かによって異なります。

登録免許税

登録免許税は、会社設立の際に国に納める税金です。資本金の額に応じて金額が決まります。合同会社の場合は6万円ですが、資本金の額が約900万円を超える場合は、資本金の0.7%が登録免許税となります。登録免許税は、会社設立において最も大きな費用となる場合が多いです。

特定創業支援事業の証明を受けた場合に、登録免許税が半額になる制度もあります。また、地域の補助金を使ってお得に設立できる場合もあります。一例として札幌市では実質無料で会社設立ができる制度がありますので、こちらで解説しています。「地域密着型サポート!札幌市の創業支援で無料で会社設立をする方法

定款の印紙代

紙で定款を作成する場合、4万円の収入印紙が必要です。電子定款を利用する場合は、この費用は不要です。

司法書士報酬

司法書士に依頼する場合は、別途手数料(シンプルな設計の会社の場合で、4万円から7万円程度)がかかります。

以下に、合同会社の設立にかかる費用の内訳をまとめた表を示します。

費用項目合同会社(紙の定款)合同会社(電子定款)
登録免許税(最低額)60,000円60,000円
定款印紙代40,000円0円
電子証明書費用数千円
定款作成費用(専門家に依頼した場合)数万円~数万円~
合計(最低額)10万円+α6万円+α

上記の他に、法務局へ提出する書類の送料や交通費、司法書士に依頼する場合の手数料などが発生します。司法書士報酬の相場は、シンプルな設計の会社の場合で、4万円から7万円です。 司法書士事務所によって費用やサービス内容が異なるため、比較検討することをおすすめします。また、定款作成を司法書士に依頼する場合は、別途費用が発生する可能性もあります。これらの費用も考慮に入れて、予算を立てましょう。

合同会社の設立の手順

会社設立の手準は、大きく分けて以下の3つのステップで行います。それぞれのステップで必要な書類や手続きを理解することで、スムーズに会社設立を進めることができます。

  1. 必要書類の作成および収集
  2. 出資金の払い込み
  3. 設立登記の申請

必要書類の作成および収集

まずは、必要書類を揃えることになりますので、次で必要書類を確認しましょう。

合同会社の設立の必要書類

合同会社を設立するには、いくつかの書類を準備する必要があります。これらの必要書類を漏れなく準備することで、設立手続きをスムーズに進めることができます。

必要書類をまとめましたので、下記の表をご確認ください。

【必ず必要になる書類】

種類内容備考
定款会社の基本ルールを定めた書類。株式会社と違い公証役場での認証は不要ですが、株式会社と同様に紙で定款を作成した場合は、印紙代4万円が必要になります。
社員の決定書社員が決めた事項(代表社員、本店所在地、資本金)を記載した書類。定款に記載がある事項については、社員決定書に記載する必要はありません。
出資の払込証明書出資金の払い込みを証明する書類。
印鑑届出書代表印を法務局に届け出するための書類。
印鑑カード交付請求書印鑑証明書を取得する際に必要な印鑑カードの交付を請求する書類。
印鑑証明書3ヶ月以内の代表社員個人のもの印鑑届出書に添付します。

【場合によって必要になる書類】

種類内容備考
社員の互選書代表社員を、定款の定めに基づく互選で決めた場合に必要。 定款で、代表社員の記載がある場合や各自代表の場合は必要はありません。
代表社員の就任承諾書代表社員が就任を承諾する旨を記載した書類。上記の社員の互選書が必要な場合にセットでこちらも必要になります。
資本金の額の計上を証する書面金銭以外の出資がある場合に必要になります。
登記事項証明書法人の登記事項証明書又は会社法人等番号。(申請書に法人の会社法人等番号を記載することにより、登記事項証明書の添付を省略することができます)代表社員が法人である場合に必要
職務執行者の選任に関する書面 取締役会議事録、社員の決定書等。代表社員が法人である場合に必要
職務執行者の就任承諾書 職務執行者が就任を承諾する旨を記載した書類。代表社員が法人である場合に必要
委任状司法書士に申請を依頼する場合に必要

出資金の払い込み

合同会社設立には、定款に記載した社員がそれぞれ出資金の払い込みをする必要があります。最低金額の制限はありません。また株式会社と違い出資金の払い込み先が金融機関に限定されているわけではないため、登記申請に添付する払込証明書は、領収書でも問題ありません。もちろん、株式会社と同様に、金融機関の取引明細表や預金通帳の写しを綴じた払い込み証明書でも問題ありません。(インターネットバンキングを利用すれば、振込明細書を印刷することで払込証明書として利用できます。)

設立登記の申請

法務局へ設立登記の申請を行います。必要書類を揃えて、法務局へ提出します。法務局の窓口に持参、郵送、又は登記オンライン申請システムでオンライン申請も可能です。

申請後、早ければ数日、通常は遅くても2週間以内に手続きが完了しますので、印鑑カード等の完了書面を受け取り、必要な枚数の会社の登記事項証明書と印鑑証明書を請求します。※こちらは別途申請が必要になります。

提出書類は会社の設計や、定款の記載内容によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。必ず必要になる書類は以下の通りです。

  • 登記申請書
  • 定款
  • 社員の決定書
  • 出資の払込証明書
  • 印鑑届出書と印鑑カード交付申請書
  • 印鑑証明書

必要書類について詳しくはこちらをご確認ください。

合同会社設立にかかる期間

合同会社設立にかかる期間は、手続きの進め方や書類の不備の有無、法務局の混雑状況などによって異なります。スムーズに進めば最短1週間程度で設立できますが、通常は2~3週間程度かかることが多いでしょう。手続きを自身で行うか、司法書士に依頼するかによっても期間は変動します。

最短での設立期間

最短で設立を目指す場合、必要な書類を漏れなく正確に準備し、電子定款を利用することで、法務局での手続きをスムーズに進めることができます。これらの準備が整っていれば、定款認証後、最短で1週間程度で設立登記が完了し、合同会社として事業を開始できます。ただし、これはあくまで理想的なケースであり、実際には予期せぬ遅延が発生する可能性も考慮しておく必要があります。

手続きごとの所要時間

各手続きにおけるおおよその所要時間と、期間短縮のポイントを以下にまとめました。

手続き所要時間期間短縮のポイント
必要書類の作成および収集1日~雛形を利用したり、司法書士に依頼することで時間を短縮できます。
出資金の払い込み1日~オンラインバンキングを利用すれば、即時で払い込みが完了します。
設立登記の申請1週間~2週間書類に不備がないように注意深く確認しましょう。法務局の混雑状況によって、審査期間が変動します。

上記はあくまでも目安であり、法務局の混雑状況や、書類の不備などによって、手続きに時間がかかる場合があります。余裕を持ったスケジュールで設立準備を進めることをおすすめします。

また、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの長期休暇期間中は、法務局の業務が休止となるため、手続きに遅れが生じる可能性があります。これらの期間を挟む場合は、スケジュールに注意が必要です。GWやお盆、年末年始前後は法務局が混雑しやすいため、通常よりも手続きに時間がかかる場合もあります。

迅速な会社設立を目指すのであれば、専門家である司法書士に依頼することを検討しましょう。司法書士は手続きに精通しており、書類作成や手続きの代行をスムーズに行ってくれます。また、不備による手続きの遅延を防ぐこともできます。費用はかかりますが、時間と手間を大幅に節約できるため、特に初めて会社を設立する方にとっては大きなメリットとなります。

定款の作成

定款は、会社の基本的なルールを定めたもので、いわば会社の憲法です。合同会社設立においては、株式会社のように公証人による定款の認証は必要ありません。紙媒体での作成も可能ですが、電子定款であれば印紙代4万円が不要になるため、費用の節約になります。

定款の絶対的記載事項

以下に、合同会社の定款の絶対的記載事項をまとめました。※記載漏れの場合は、定款自体が無効になりますので、注意が必要です。

項目内容注意点
目的(事業の目的)会社が行う事業の内容。具体的に記載する必要があり、特に許認可を受けなければならない事業の場合は、文言に注意が必要です。行う事業によっては、定款に記載されていないと、許認可を受けることができなかったり、融資を受けることができなくなることもありますので、将来の事業展開も視野に入れて記載することが重要です。
商号(会社名)会社の名称。自由に決められるが、同一商号の会社が本店の所在地に既に登記されている場合は使用できません。
本店の所在地会社の本店の所在地。※所在場所(具体的な住所)を定めることもできますが、最小行政区画である市区町村までを記載で問題ありません。(例)北海道札幌市、東京都世田谷区定款では、最小行政区画である市区町村までを記載することをお勧めしてします。(同じ市区町村内の本店移転であれば定款変更の手続きが不要になるためです。)
社員の氏名又は名称及び住所発起人が法人でなければ、発起人の氏名及び住所を定款に記載します。
社員の全部を有限責任社員とする旨
社員の出資の目的及びその価額又は評価の標準

上記の表の社員についての事項「社員の氏名又は名称及び住所」「社員の全部を有限責任社員とする旨」「社員の出資の目的及びその価額又は評価の標準」は、まとめて記載することが多いです。
(例)
第〇条 (社員の氏名、住所、出資及び責任)
社員の氏名、住所及び出資の価額並びに責任は次のとおりである。
有限責任社員 住所○○○○ 氏名○○○○ 金100万円

また、日本公証人連合会のホームページに定款の記載例が掲載されてますので、参考に作成すると良いと思います。

電子定款で合同会社設立をさらに簡単に

合同会社設立の手続きにおいて、定款認証にかかる印紙代4万円を節約できるのが電子定款です。この章では、電子定款のメリット、作成方法、必要なものなどを詳しく解説します。

電子定款のメリット

電子定款の最大のメリットは、印紙代4万円の節約です。紙の定款を作成する場合には収入印紙を貼付する必要がありますが、電子定款であれば印紙代は不要です。また、定款の内容を変更する際も、Wordファイル等のデータが手元にあれば、一から定款のデータを作成する必要がなく直ぐに変更可能です。

電子定款の作成方法

電子定款を作成するには、以下の手順を踏みます。

  1. PDF形式で定款を作成する
  2. 作成したPDFファイルに電子署名する
  3. 法務局にオンラインで提出する

1.PDF形式で定款を作成する

どのようなソフトで定款を作成して問題ありませんが、弊所ではWordで定款を作成して、完成後にPDFファイルに変換しています。

2.作成したPDFファイルに電子署名する

作成したPDFファイルに、社員全員が電子証明書を用いて電子署名を行います。電子証明は、「Adobe Acrobat」や「SkyPDF」のPDFソフトの署名機能を使って行うか、法務局の申請用総合ソフトでも可能です。電子証明書は、法務局がオンライン申請に利用を認めている証明書である必要があります。マイナンバーカードに搭載されている電子証明書も利用するのが、費用もかからないためお勧めです。電子証明書を取得していない場合は、事前に取得手続きが必要です。

3.法務局にオンラインで提出する

電子署名をした電子定款を、法務局のオンラインシステムを通じて提出します。この際、設立登記申請書も同時にオンラインで提出します。

電子定款作成に必要なもの

電子定款を作成するために必要なものは以下の通りです。

必要なもの説明
パソコンPDFファイルを作成し、電子署名を行うために必要です。
PDF作成ソフト定款の内容をPDF形式で保存したり、電子署名をするために必要です。「Adobe Acrobat」や「SkyPDF」等の署名機能が付属されたソフトを選びましょう。
電子証明書PDFファイルに電子署名するために必要です。法務局が認めている電子証明書を取得するか、マイナンバーカードに搭載されている電子証明書も利用できます。
ICカードリーダーライターマイナンバーカードの電子証明書を利用する場合に必要です。

電子定款作成の注意点

電子定款を作成する際の注意点は以下の通りです。

  • 電子署名書には有効期限があります。法務局に送信する時点で、有効期限が切れている場合はエラーになるため、注意が必要です。
  • 電子署名は社員全員が行う必要があります。

電子定款に関するよくある誤解

電子定款について、よくある誤解を解説します。

誤解正しい情報
電子定款の作成は難しい初めての方で難しく感じる方もいるかもしれませんが、PDF作成ソフトと電子証明書があれば、比較的簡単に作成できます。
電子定款は費用がかかるマイナンバーカードに搭載されている電子証明書を使用した場合は、基本的に費用はかかりません。
電子証明書を取得する必要があるマイナンバーカードにも電子証明書は搭載されています。

電子定款を利用することで、合同会社設立の手続きをスムーズに進めることができます。ぜひ、電子定款の利用を検討してみてください。

よくある質問

合同会社設立に関するよくある質問とその回答をまとめました。ここに掲載されていない質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

合同会社設立に必要な最低資本金は?

合同会社設立に必要な最低資本金は1円以上です。少額から事業を始めることが可能ですが、資金不足にならないように、開業後半年の運転資金をベースに算出するのが、一般的です。弊所のお客様では50万円か100万円を設定する方が多いですが、合同会社全体の50%以上が資本金100万円未満というデータもあります。【参照】e-Stat 政府統計の総合窓口

合同会社の社員の役割は?

社員と聞くと、会社に雇用されている従業員を指すことが一般的ですが、合同会社の社員は従業員ではなく、出資者兼役員のことを言います。株式会社でいうところの株主兼取締役の役割を担います。

合同会社の社員になれるのは誰?

株式会社と違い、誰でも出資すれば、社員になることが可能です。また、法人でも社員になれる点も株式会社とは違い、日本国籍の方だけでなく、外国籍の方も合同会社の社員になることができます。未成年者も法定代理人の同意があれば社員になることができます。

合同会社設立後、株式会社に変更できる?

合同会社設立後、株式会社に変更することは可能です。その場合、「組織変更による設立」登記と、「組織変更による解散」登記の2つの登記申請をすることになります。登録免許税などの費用が発生します。ご参考までに、例えば、資本金100万円の会社の場合、「組織変更による設立」登記の登録免許税は最低3万円、「組織変更による解散」登記の登録免許税は3万円で、合計6万円の登録免許税がかかります。

合同会社の事業目的はどのように決めれば良いですか?

事業目的は、将来行う可能性のある事業も含めて、できるだけ具体的に記載することが重要です。事業目的が曖昧だと、融資や許認可の取得に影響が出る可能性があります。また、事業目的を追加する場合には定款変更の手続きが必要となり、登記費用もかかりますので、設立登記時に、将来の事業計画を基に目的を決めることがとても重要になります。

合同会社の定款に決まった書式はありますか?

定款には法定の記載事項が定められていますが、書式に決まったものがあるわけではありません。まずは、絶対に記載しなければいけない事項がありますので、こちらをご確認ください。そのうえで、日本公証人連合会のホームページに定款の記載例が掲載されてますので、参考に作成すると良いと思います。

合同会社設立の手続きはどこで行うのですか?

合同会社設立の手続きは、本店所在地を管轄する法務局で行います。管轄はこちらの法務局のページから調べることもできますし、インターネットで「管轄法務局 〇〇」のように、管轄法務局の後に本店所在地を入力して検索することで調べることもできます。設立の登記申請の詳しい手順については、「設立登記の申請」をご覧ください。

合同会社を設立するメリットとデメリットを改めて教えてください

メリットデメリット
設立費用が株式会社に比べて安い株式会社に比べて信用度が低いと見られる場合がある
設立手続きが比較的簡単資金調達が難しい場合がある
経営の自由度が高い金融機関の口座が作りにくい場合がある
意思決定が迅速に行える社会的認知度が低い

合同会社設立に必要な書類を具体的に教えてください

【必ず必要になる書類】

種類内容備考
定款会社の基本ルールを定めた書類。株式会社と違い公証役場での認証は不要ですが、株式会社と同様に紙で定款を作成した場合は、印紙代4万円が必要になります。
社員の決定書社員が決めた事項(代表社員、本店所在地、資本金)を記載した書類。定款に記載がある事項については、社員決定書に記載する必要はありません。
出資の払込証明書出資金の払い込みを証明する書類。
印鑑届出書代表印を法務局に届け出するための書類。
印鑑カード交付請求書印鑑証明書を取得する際に必要な印鑑カードの交付を請求する書類。
印鑑証明書3ヶ月以内の代表社員個人のもの印鑑届出書に添付します。

【場合によって必要になる書類】

種類内容備考
社員の互選書代表社員を、定款の定めに基づく互選で決めた場合に必要。定款で、代表社員の記載がある場合や各自代表の場合は必要はありません。
代表社員の就任承諾書代表社員が就任を承諾する旨を記載した書類。上記の社員の互選書が必要な場合にセットでこちらも必要になります。
資本金の額の計上を証する書面金銭以外の出資がある場合に必要になります。
登記事項証明書法人の登記事項証明書又は会社法人等番号。(申請書に法人の会社法人等番号を記載することにより、登記事項証明書の添付を省略することができます)代表社員が法人である場合に必要
職務執行者の選任に関する書面取締役会議事録、社員の決定書等。代表社員が法人である場合に必要
職務執行者の就任承諾書職務執行者が就任を承諾する旨を記載した書類。代表社員が法人である場合に必要
委任状司法書士に申請を依頼する場合に必要

必要書類の作成および収集」にも詳しく記載していますので、併せてご覧ください。

合同会社設立にかかる費用を詳しく教えてください

合同会社設立にかかる費用は、登録免許税、電子定款作成費用(または印紙代)、司法書士への依頼費用(任意)などが挙げられます。登録免許税は最低でも6万円程度かかります。電子定款を作成する場合、印紙代4万円は不要です。また、司法書士に依頼する場合は、別途費用が発生します。費用を抑えたい場合は、ご自身で手続きを行うことも可能です。詳しくは「合同会社設立にかかる費用」をご覧ください。

合同会社設立後、事業年度を変更することはできますか?

合同会社設立後、いつでも事業年度を変更することは可能です。手続きの流れとしては、「1.社員全員で同意書の作成をする」→「2.定款を変更する」→「3.税務署等に届け出をする」です。なお、登記申請は必要ありません。

合同会社の解散手続きについて教えてください

合同会社の解散は、総社員の同意により行うことができます。解散決議後、清算手続きを行い、債権者への弁済などを完了した後、解散登記を行うことで手続きが完了します。詳しくはこちらの「もう迷わない!会社の解散をスムーズに進めるための登記手続きとポイント」をご覧ください。

まとめ

この記事では、合同会社設立の手続き、費用、必要書類、メリット・デメリット、株式会社との違いなどについて解説しました。合同会社設立は、株式会社に比べて費用が安く、手続きも簡単であるため、起業する際の選択肢として魅力的です。特に、小規模でシンプルな経営を目指す方にとってはメリットが大きいと言えるでしょう。

設立費用を抑えるためには、電子定款の作成がおすすめです。印紙代4万円が不要になるため、費用負担を軽減できます。また、手続きをスムーズに進めるためには、専門家である司法書士に依頼することも有効です。費用は発生しますが、時間と手間を大幅に節約でき、手続きのミスも防げます。司法書士のアドバイスを受けながら進めることで、安心して設立手続きを進められるでしょう。

合同会社の設立は、計画を立て適切な手続きをすることによってスムーズに行うことができます。この記事で紹介した情報が、これから合同会社を設立しようと考えている方の参考になれば幸いです。

ルフレ司法書士事務所では、設立登記をはじめ、役員変更など、会社の登記に関する様々な業務を扱っております。司法書士が、迅速丁寧にお客様の状況に合わせた最適なサポートを提供いたします。

会社の手続きでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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