札幌市の創業支援で会社設立の費用を抑える方法|登録免許税の軽減と補助金

会社設立 札幌

札幌市で会社設立を考えている方は、会社設立には費用がかかるイメージがあると思いますが、札幌市の創業支援制度を利用すると、設立時の登録免許税の負担を抑えられる場合があります。

この記事では、通常かかる設立費用を解説した上で、「札幌市創業支援等事業計画」に基づく特定創業支援等事業の証明(登録免許税の軽減)と「さっぽろ新規創業促進補助金」の2つの制度を利用して、会社設立の費用を抑える方法を順を追って解説します。制度の概要、対象者、申請方法に加えて、この制度を利用する場合の注意点も紹介します。

最後に当事務所の設立登記の費用のご案内を掲載していますので、あわせてご覧ください。

目次

通常かかる設立費用について

会社設立には、様々な費用が発生します。これらの費用を把握しておくことは、スムーズな創業のために非常に重要です。大きく分けて、登録免許税、定款認証費用、資本金、司法書士報酬、印鑑作成費用、その他諸費用などがあります。これらの費用は、株式会社か合同会社か、資本金の額、設立手続きを自身で行うか専門家に依頼するかなどによって変動します。詳しくはこちらで解説していますので、ご覧ください。「【2024年最新】会社設立の手順を分かりやすく解説!初心者でも簡単、最短1週間で設立する方法」

以下に、会社設立にかかる費用の内訳をまとめた表を示します。

費用項目株式会社(紙の定款)株式会社(電子定款)合同会社(紙の定款)合同会社(電子定款)
登録免許税(最低額)150,000円150,000円60,000円60,000円
定款認証手数料・定款の印紙代(資本金100万円の場合)80,000円(認証4万円+印紙4万円)40,000円(認証4万円)40,000円(印紙4万円・認証は不要)0円
電子証明書費用–数千円–数千円
定款作成費用(専門家に依頼した場合)数万円~数万円~数万円~数万円~
合計(最低額)23万円+α19万円+α10万円+α6万円+α

上記の他に、法務局へ提出する書類の送料や交通費、司法書士に依頼する場合の手数料などが発生します。司法書士報酬の相場は、シンプルな設計の会社の場合で、5万円から10万円です。 

会社設立の費用を抑えられる札幌市の2つの創業支援

札幌市では、市内における創業の促進を目的として、創業支援制度があります。具体的には、「札幌市創業支援等事業計画」に基づく特定創業支援等事業(支援機関での継続的な相談など)を受けて証明書の交付を受けると、会社設立時の登録免許税が半額に軽減されます。さらに、軽減を受けた方は「さっぽろ新規創業促進補助金」により、残りの登録免許税相当額(株式会社75,000円・合同会社30,000円)の補助を申請できます(予算の範囲内・先着順)。2つを組み合わせると登録免許税の負担がなくなりますが、定款認証手数料や印紙代、専門家に依頼する場合の報酬などは補助の対象外です。

札幌市創業支援等事業計画について

「札幌市創業支援等事業計画」とは、札幌市内における創業の促進を目的とした計画で、この計画に基づく特定創業支援等事業による支援を受けて証明書の交付を受けた創業者は、株式会社又は合同会社の設立登記時の登録免許税の軽減等の支援を受けることができます。他にもメリットがある制度となりますので、下記の表でご確認ください。 札幌市:札幌市創業支援等事業計画

メリット内容
登録免許税の軽減会社設立時の登録免許税が、資本金の額の0.7%から0.35%に軽減されます。最低税額の場合、株式会社は15万円が7.5万円に、合同会社は6万円が3万円になります。(札幌市が発行した証明書は、札幌市内に本店を置く会社の設立でのみ使えます。)
創業関連保証の利用開始月の前倒し創業2か月前から対象となる創業関連保証の特例について、事業開始6カ月前から対象となります。
日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」貸付利率の引き下げの適用を受けられます(別途審査があります)。
小規模事業者持続化補助金〈創業型〉「小規模事業者持続化補助金」の〈創業型〉は、特定創業支援等事業による支援を受けたことが申請の要件になっています。補助上限額や要件は公募回ごとに変わるため、最新の公募要領でご確認ください。

さっぽろ新規創業促進補助金について

「さっぽろ新規創業促進補助金」は、札幌市の特定創業支援等事業の証明を受けて登録免許税の軽減を受け、株式会社又は合同会社の設立登記を行った方に、残りの登録免許税相当額を札幌市が補助する制度です。受付期間は令和8年4月1日から令和9年3月31日まで(必着)で、予算に限りがあるため先着順です。申請状況によっては期間内でも受付が終了することがあります。 札幌市:さっぽろ新規創業促進補助金について

補助額

・株式会社設立の場合: 75,000円(軽減後の登録免許税75,000円相当分)

・合同会社設立の場合: 30,000円(軽減後の登録免許税30,000円相当分)

対象者

札幌市の創業支援制度を利用するには、制度ごとに要件が定められており、これらの要件を満たす必要があります。「特定創業支援等事業の証明書」と「さっぽろ新規創業促進補助金」の対象者をそれぞれ見ていきましょう。

特定創業支援等事業の証明書の対象者

札幌市の特定創業支援等事業による支援を受けた方で、これから創業する予定の方、又は創業後5年未満の方が対象です。証明書の交付を受けるには、たとえば窓口相談の場合、1か月以上にわたり継続して4回以上の相談を受ける必要があります。法人設立・個人事業・創業後5年未満の別に札幌市の「対象者チェックリスト」がありますので、事前にご確認ください。 札幌市:札幌市創業支援等事業計画

さっぽろ新規創業促進補助金の対象者

さっぽろ新規創業促進補助金の対象となるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

要件備考
事業を営んでいない個人、又は開業届の提出から5年以内の個人事業主で、新たに会社を設立したこと会社の設立日(履歴事項全部証明書の成立年月日)から起算して90日以内、又は令和9年3月31日のいずれか早い日までに申請書類が到着していること
札幌市の特定創業支援等事業の証明を受けた後に、登録免許税を支払っていること会社法上の発起人(合同会社の場合は社員)であり、かつ代表者であること
札幌市内に登記上の本店所在地があること
設立した会社以外に代表権を持つ会社がないこと、又は他の事業を営んでいないこと個人事業を営んでいた場合は、廃業届を提出済みであること
反社会的勢力及び反社会的勢力と関係のある者でないこと
札幌市の市税を滞納していないこと、又は市税の徴収猶予の特例制度等の対象であること

制度を利用して会社を設立する3ステップ

札幌市の創業支援制度を利用して会社を設立する場合のステップを解説します。

特定創業支援等事業を受けて、証明書の発行を受ける(1か月半程度~)

まず初めに、「特定創業支援等事業」の支援を受ける必要があります。札幌中小企業支援センターや札幌商工会議所をはじめとする支援機関が提供する無料相談やセミナー等を活用し、事業計画の作成や経営ノウハウの習得を目指します。これらの支援を受けることで、事業の成功可能性を高めるだけでなく、「特定創業支援等事業を受けたことの証明書」の発行を受けることができます。窓口相談の場合は1か月以上にわたり継続して4回以上の相談を受ける必要があり、証明書の申請から発行までにも1〜2週間程度かかります(当日・翌日の発行はできません)。証明書は設立登記の申請(登録免許税の軽減)と補助金の申請に使いますので、大切に保管してください。証明書には有効期限があり、札幌市の案内では令和9年3月31日まで(既に事業を営んでいる方は開業日から5年を経過しない日まで)とされています。

支援機関の相談は無料で行っている場合も多いので、積極的に活用しましょう。相談内容を記録しておくこともおすすめです。

支援機関の探し方

札幌市創業支援等事業計画のウェブサイトで、札幌市内の支援機関を探すことができます。支援機関によって特色がありますので、自身の事業内容に合った機関を選ぶこともできます。①札幌市創業支援等事業計画→支援機関、その他の支援機関 

設立登記の申請をする(1週間~2週間)

「特定創業支援等事業を受けたことの証明書」を取得したら、会社設立の手続きに進みます。法務局へ設立登記の申請を行います。登記申請時に「特定創業支援等事業を受けたことの証明書」を提出することで、この登録免許税が軽減されます。登記申請してから完了まで、(早く終わるときもありますが)1週間~2週間程かかると考えておいた方が良いと思います。なお、登録免許税の軽減を受けるには、設立登記を申請する前に証明書の交付を受けておく必要があります。

設立登記に必要な書類は、定款、発起人決定書、就任承諾書などです。これらの書類は、専門家に依頼して作成することもできます。費用を抑えたい場合は、法務局のウェブサイトなどで公開されている雛形を参考に、自身で作成することも可能です。必要書類についてはこちらの記事で詳しく解説しています。「【2024年最新】会社設立の手順を分かりやすく解説!初心者でも簡単、最短1週間で設立する方法」

さっぽろ新規創業促進補助金の申請をする(1か月~2か月)

会社設立後、「さっぽろ新規創業促進補助金」の申請を行います。この補助金は、登録免許税の軽減を受けて札幌市内で会社を設立した方に対し、残りの登録免許税相当額(株式会社75,000円・合同会社30,000円)を補助するものです。定款認証手数料は補助の対象ではありません。札幌市:さっぽろ新規創業促進補助金

申請書類

①さっぽろ新規創業促進補助金交付申請書兼同意書(様式1)
②役員名簿(様式2)
③口座振込依頼書兼委任状
④振込口座の通帳の写し等
⑤設立した会社の履歴事項全部証明書の写し(法務局で取得)
⑥登録免許税の支出を証する書類の写し(領収書の写し等。請求書のみは不可)
※様式は変更されることがありますので、提出前に札幌市のページで最新のものをご確認ください。

申請手続き

補助金の申請は、会社の設立日(履歴事項全部証明書の成立年月日)から起算して90日以内、又は令和9年3月31日のいずれか早い日までに、郵送で行います(期限までに書類が到着している必要があります)。郵送のみの受付で、レターパックや簡易書留など追跡できる方法で送り、封筒に差出人の住所と申請者名を書くよう案内されています。

【提出先】※提出先が変更になることもありますので、提出の際はこちらのページでご確認ください。
〒060-8611
札幌市中央区北1条西2丁目札幌市役所本庁舎15階
札幌市 経済観光局 プロジェクト担当部 スタートアップ推進担当課
(さっぽろ新規創業促進補助金担当)宛

補助金の交付時期

提出した月の翌月下旬の予定とされています(毎月末までに到着した申請を翌月初めにまとめて処理するため、申請の時期によっては1か月以上かかることがあります。書類に不備があると遅れる場合があります)。

この制度を利用して会社設立をする場合の注意点

通常の会社設立より手続きに時間がかかる

特定創業支援等事業を利用して会社設立をする場合、登記申請時に、特定創業支援等事業の支援を受けたことの証明書を添付する必要があります。この発行には、1か月以上かかりますので、その分、通常の会社設立をするより時間がかかります。

補助金の申請には期限がある

さっぽろ新規創業促進補助金の申請は、設立日から90日以内(令和9年3月31日の方が早い場合はその日まで・必着)にする必要があります。また、予算に限りがあり先着順のため、期間内でも受付が終了することがあります。会社設立の際は、他にも手続きが多く、すっかり忘れていた・・ということが無いように注意が必要です。

補助金の交付に時間がかかる場合がある。

補助金が実際に振り込まれるのは、申請提出した月の翌月の下旬になります。最大2か月待つことになりますので、資金繰りには注意が必要です。

当事務所の設立登記の費用

札幌市の創業支援を利用して会社設立をされる方の設立登記も、お受けしております(さっぽろ新規創業促進補助金の補助額は、株式会社75,000円・合同会社30,000円です)。設立登記の費用は、設立の内容に応じてお見積りをご案内します。設立登記についてのご相談は無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

登記費用の金額(司法書士報酬・定款認証費用・登録免許税その他の実費全てコミコミの価格)
・株式会社設立の場合: 175,000円(税込み)
・合同会社設立の場合: 80,000円(税込み)

まとめ

この記事では、札幌市の創業支援制度を利用して、会社設立の費用を抑える方法をご紹介しました。ポイントは、「札幌市創業支援等事業計画」に基づく特定創業支援等事業の証明と「さっぽろ新規創業促進補助金」の2つの制度を組み合わせることです。設立登記の前に証明書の交付を受ければ、登録免許税の軽減を受けられるだけでなく、残りの登録免許税相当額の補助を申請することもできます(令和9年3月31日まで・先着順)。

ルフレ司法書士事務所では、設立登記をはじめとする創業支援、役員変更など、会社の登記に関する様々な業務を扱っております。司法書士が、お客様の状況に合わせて丁寧にサポートいたします。

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