公正証書遺言作成を司法書士に依頼する場合の費用は?専門家ごとの違いを札幌の司法書士が解説
「公正証書遺言の作成を司法書士に依頼したいけど、費用がどれくらいかかるのか分からない」そんな風に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?公正証書遺言は、いくつかある遺言書の種類の中でも確実に意思を残すことのできるため、相続トラブルを防ぐために有効な手段です。しかし、費用面が気になる方もいるでしょう。
そこでこの記事では、公正証書遺言作成にかかる費用について、司法書士に依頼する場合を中心に詳しく解説していきます。また、弁護士などの他の専門家に依頼した場合のメリットやデメリットもご紹介します。
公正証書遺言作成に必要な費用の内容と相場
公正証書遺言の作成を検討されている方にとって、費用は気になる点の一つでしょう。主な費用としては、以下のものが挙げられます。
- 公証人手数料
- 必要書類の所得にかかる費用
- 立ち会ってもらう証人への日当
- 公証人への日当や交通費など
- 専門家への報酬
これらの費用は、遺言の内容や財産の規模、依頼する専門家によって異なります。それぞれの費用について、詳しく見ていきましょう。
公証人手数料
公証人手数料は、公正証書遺言を作成する際に必ずかかる費用です。遺言の目的である財産の価額に対応する形で、次のとおり、手数料が定められています。
目的の価額 | 手数料 |
100万円以下 | 5000円 |
100万円を超え200万円以下 | 7000円 |
200万円を超え500万円以下 | 11000円 |
500万円を超え1000万円以下 | 17000円 |
1000万円を超え3000万円以下 | 23000円 |
3000万円を超え5000万円以下 | 29000円 |
5000万円を超え1億円以下 | 43000円 |
1億円を超え3億円以下 | 4万3000円に超過額5000万円までごとに1万3000円を加算した額 |
3億円を超え10億円以下 | 9万5000円に超過額5000万円までごとに1万1000円を加算した額 |
10億円を超える場合 | 24万9000円に超過額5000万円までごとに8000円を加算した額 |
必要書類の取得にかかる費用
公正証書遺言を作成するためには、戸籍謄本、住民票、印鑑証明書、固定資産評価証明書など、様々な書類の取得が必要となります。これらの書類の取得費用は、数百円から数千円程度が相場です。
立ち会ってもらう証人への日当
公正証書の作成には、原則として2人の証人の立ち会いが必要となります。証人への日当は、地域や証人の職業によって異なりますが、1人あたり数千円から2万円程度が一般的です。
公証人への日当や交通費など
公証人が遺言者の自宅や病院などへ出向いて公正証書を作成する場合には、日当や交通費が発生する場合があります。日当は、1日につき2万円(4時間以内のときは1万円)です。交通費については、公証役場から出張先までの往復のタクシー代が請求されることが多いです。
専門家への報酬
弁護士や司法書士に公正証書遺言の作成を依頼する場合、専門家への報酬が発生します。報酬額は、弁護士や司法書士によって異なりますが、5万円~25万円程度が相場ですが、複雑なケースでは報酬も高くなる傾向にあります。
各専門家へ依頼した場合のメリット・デメリット
弁護士と司法書士どちらに依頼しようか迷っている方もいるかと思います。ここではそれぞれに依頼した場合のメリットやデメリットもご紹介します。
司法書士に依頼した場合の費用やメリット・デメリット
司法書士への依頼報酬は、遺言の内容の複雑さ、財産の金額などによって変動します。一般的に、5万円~20万円が相場とされています。具体的には以下のような要素で変動します。
- 遺言の内容:財産分割が単純な場合と、不動産の分割や条件付きの遺贈など複雑な場合とでは、報酬額に差が出ます。
- 財産の規模:相続財産の総額が多いほど、報酬額が高くなる傾向があります。
報酬の計算方法は司法書士事務所によって変わり、報酬金額を一律に設定している事務所もあります。
メリット
将来行う亡くなった後の相続手続きも含めて総合的なアドバイスを受けることができるため、司法書士に依頼することで、遺言書を作成するときはもちろん、後々の手続きもスムーズに進めることが期待できます。また、戸籍謄本や住民票、登記事項証明書など、必要な書類の取り寄せや公証人とのやり取りもご依頼者の代わりに行うため、手間が省けます。
他にも、司法書士がご依頼者のご希望に応じた内容を記載した遺言書案を作成して、公証人がチェックすることになるため、確実性の高い遺言書を作成することができます。また、弁護士に比べると費用は抑えられることが一般的です。
デメリット
司法書士に依頼した場合、司法書士報酬(5万円~20万円が相場)が発生することと、税金に関する具体的なアドバイスをすることができないために、必要に応じて、税理士に相談する必要がでてくることがあります。
弁護士に依頼した場合の費用やメリット・デメリット
弁護士に公正証書遺言の作成を依頼する場合、報酬額は、10万円から数十万円と、他の専門家と比較して高めになる傾向があります。
メリット
相続は専門性が高く、複雑なケースも少なくありません。弁護士に依頼することで、これらの手続きを全て一任できます。また、相続に関するあらゆるお困りごとについて、相談に乗ってもらうことができます。
相続に関する紛争を事前に防ぐための知識が豊富なため、遺言書の記載内容を決める際にも、具体的なアドバイスが期待できます。
デメリット
弁護士は司法書士に比べて、費用が高めになる傾向があります。
公正証書遺言を依頼する司法書士を選ぶポイント
司法書士を選ぶ際は、以下の2つのポイントに注目しましょう。
- 相続業務の経験が豊富か
- 迅速かつ丁寧に対応してくれるか
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
相続業務の経験が豊富か
相続手続きは、法律知識が必要な複雑な手続きです。そのため、相続手続きを積極的に行っている事務所を選ぶことが大切です。日常的に相続に関する業務を取り扱っている事務所は、遺言作成の手続きにも慣れている可能性が高く、円滑な手続きが期待できます。
迅速かつ丁寧に対応してくれるか
司法書士との相性も、依頼する上で重要なポイントです。人の話をしっかり聞き、悩みや希望を理解してくれる、自分の意見を一方的に押し付けないなど、丁寧に対応してくれる司法書士を選びましょう。専門用語を分かりやすく説明してくれるか、丁寧に理解できるまで説明してくれるかも確認しておくと良いでしょう。また、迅速に対応してくれるかも重要ですので、依頼前にメールや電話のレスポンスも確認すると良いと思います。
まとめ
公正証書遺言の作成を司法書士に依頼する際は、費用だけでなく、相続業務の経験や丁寧な対応を重視して選びましょう。複数の司法書士事務所に相談し、比較検討することをおすすめします。信頼できる司法書士を見つけることで、安心して遺言を作成することができます。
ルフレ司法書士事務所では、相続登記をはじめ、相続放棄、遺産分割協議など、相続に関する様々な業務を扱っております。司法書士が、迅速丁寧にお客様の状況に合わせた最適なサポートを提供いたします。また、ご希望に応じて相続に強い弁護士さんや相続税の申告専門の税理士さんを紹介しております。
相続手続きでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。